外国へ行けないキューバ人
この旅で、最初に2日間はタクシードライバー、そのあと数日はパトリシアちゃんと過ごした。
2人と話して改めて気がついたのはキューバ人は気軽には海外に行けないという事。まずどこに行くにもビザが必要だ。しかもビザの申請には途方もない条件が付く事が多い。どこの国でも行けちゃうパスポート常に上位の日本のパスポートを持っている私には考えられないもの。
持ち家証明。預金残高証明。
つまり、私はキューバが基盤であり、お金持っていて、旅行に行くだけで、移住するつもりもないし、帰ってくる場所はここですよ、と証明しないといけないのだ。
それをしても渡航できる国は限られている。1番いきやすいのはロシアだそうで、持ち家照明と200万以上の貯金で認められたとタクシードライバーが言っていた。
パトリシアちゃん曰く、パスポート取るにも10万円だったか20万円ほどかかるらしく、とてもそんな事は出来ない、と。
「でもフロリダに私の叔母がいる。もう20年以上会った事ないけど」
とちょっと誇らしげにパトリシアちゃんは言った。
「海外行くならどこ行きたい?何したい?」と聞いたら。
「物価の安いところ。オートバイを買う。で、持って帰って売るの。税金払っても、すごく高く売れるから」
自分で聞いておいて、後悔した。「旅行」なんか何の役にも立たないのだ。自分が恵まれてる事を自覚すると同時に、罪悪感も湧いた。
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